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ASKのセミナーで死亡事故
 日本で最初の自己啓発セミナー会社ARCインターナショナル直系のASKグローバルコミュニケーションのセミナーで、今年1月、受講生の男性が受講中に倒れ搬送先の病院で無くなるという事故がありました。その亡くなった男性の遺族がASK、ニューウエイズジャパン(NWJ)ワンダーランドの3社を訴え損害賠償請求をしているようです。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010041200792
 人材能力開発会社の自己啓発セミナーで今年1月、大阪市在住の元美容師の男性=当時(26)=が死亡したのは、主催者らが注意を怠ったのが原因として、男性の遺族が12日、同社などを相手に計約1億2000万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 この会社は「ASKグローバル・コミュニケーション」(東京都豊島区)。遺族は、健康用品販売会社「ニューウエイズジャパン」(横浜市神奈川区)と「ワンダーランド」(大阪市福島区)も提訴した。
 訴状や原告側によると、男性は会員制交流サイト(SNS)でワンダーランドの会員から誘われ、2008年10月に同社の会員となった。「セミナーを受ければ自分が変わる」と言われ、ワンダー社に18万円を支払い、東京都内でASK社の自己啓発セミナーに参加。1月27日、手足を激しく動かすダンスを踊っていた際に倒れ、搬送先の病院で急性心不全による死亡が確認された。少なくとも約30分間踊っていたという。
 セミナーは「限界を突破する」と称し朝から夜まで続き、手足を激しく動かすダンスを踊ったり、反省の言葉を叫んだりするという。原告側はASK社とワンダー社の代表が現場におり「事故を予見できたのに予防措置を怠った」としている。
 ワンダー社はニューウエイズ社の会員が集まり、同社が扱う化粧品などを販売。同社は08年、マルチ商法で、経済産業省から特定商取引法違反で3カ月の一部業務停止命令を受けた。
 ASK社とワンダー社は取材に対し「セミナーは受講生の皆さまの生命、身体に危険を及ぼすものではない」としている。ニューウエイズ社は訴状が届いていないとし、コメントしなかった。


 2001年にも自己啓発セミナー大手の日本創造教育研究所のセミナー受講中に男性が倒れ、その後に亡くなったという事故が起きています。
 今回の事故は何が原因でしょうか。
 記事を見ると
  >1月27日、手足を激しく動かすダンスを踊っていた際に倒れ
とあります。
 次にASKがWEBサイトで公開しているセミナースケジュールを見てみます。
  今年1月のスケジュール
 1/27はSEEK(Breakthrough Course)の3日目のようです。SEEKはライフ型3段階セミナーの2段階目のセミナーで、3段階の中でもっとも肉体的・精神的にハードなセミナーです。
 この事から、亡くなった男性は「変身劇」の実習中に倒れたのではないかと考えられます。
 変身劇の実習とは、2段階目の3日目に行われ、セミナーのハイライトともいえるものです。これは、各受講生にトレーナーから役を与えられそれになりきって演じる、というものです。その受講生が苦手としているもの、普段行わない行動をするものが、主に与えられます。殻を破って新たな自分を手に入れるというのが目的の実習です。
 変身劇はただ演じれば良いだけではなく、観客(他の受講生やアシスタント、トレーナー)が全員一致で「役になりきった」「殻を破った」と判断するまで続けさせられます。

 亡くなった男性は、踊るような役(ダンサーや男性アイドル歌手等)の役を与えられ、観客からのOKを貰うために激しく踊ったのでしょう。
 このような役を与えられる受講生の特徴は、「大人しい」「覇気が無い」「自己主張しない」等の印象を受ける人が多いようです。この男性がどうだったのかはわかりませんが、そのような人だった場合、「限界を突破する」為にいつもしない激しい動きを急激にしたのではないかと思われます。
 セミナーの危険性はこんなところにも存在しています。トレーナーは訓練を受けているとはいえ、マニュアルに反ってセミナーを進行するだけの人間で、医学や肉体などの知識は素人同然です。「限界を突破する」といって、命の限界まで突破させてしまうのです。

 この記事で少し気になるところがあります。
  >ワンダー社に18万円を支払い、東京都内でASK社の自己啓発セミナーに参加。
 この部分。男性はASKにではなくワンダーランドにセミナー受講料を支払っています。
 ASKは典型的なライフ型3段階のセミナーを行うセミナー会社で、新規の受講生は3段階目の勧誘実習で3段階目を受講中の受講生が勧誘して集めます。男性はワンダーランド関係者に勧誘されたのでしょうか。1段階の受講料なら、ワンダーランドを経由してASKに支払われた、という流れも想像できるのですが、2段階目は、通常1段階目のセミナーが全て終わった後、インタビューと称する2段階目への勧誘イベントでインタビュアーから打診を受け、建前上」、受講生自らの意思で受講を決めます。受講料はセミナー会社へ直接支払われます。
 そこで、ワンダーランドという会社がどのような会社か調べてみたところ、マルチ商法会社のNSJのディストリビュータ(販売員)が集って、NWJの商品を販売する為に起こした会社であるようです。しかし、ワンダーランドのWEBサイトで会社概要の事業内容を見ると「セミナー企画・運営/出版」とあります。そして、トップページには提携企業としてASKのバナーが貼られセミナー申し込みページまで用意されています。
 これは、受講生からの直接の紹介だけで新規の受講生を集めていた自己啓発セミナーが、他社の力を借りて受講生を集めるビジネスモデルに変化した事が伺われます。ワンダーランドと提携したのは、NWJのディストリビュータを取り込めると算段したのではないでしょうか。

 マルチ商法と自己啓発セミナーの関係は深く、自己啓発セミナー黎明期から持ちつ持たれつの関係です。
 自己啓発セミナー元祖のライフ・スプリングは、マルチ商法会社ホリデー・マジックのディストリビュータ研修を請け負っていたロバート・ホワイト氏が設立したものであり、3段階のライフ型セミナーはホワイト氏が行っていたディストリビュータ研修を商品化したものだと言えます。
 マルチ商法はディストリビュータ自身によって新たなディストリビュータを勧誘し、自分の配下に付けます。自分の配下の売上は、自分の収入に反映されるので、多くの配下を持つ事が収入アップに繋がります。さらに、自分の配下が新たに勧誘し配下に付けると、それの売上も自分に反映されます。マルチ商法ではそうやって形成されたラインをグループと呼び、グループ内で独自の勉強会やミーティングを行っている事が多くあります。ワンダーランドはそのグループが法人化したものだと思われます。配下が増えるほど、ラインが伸びていくほど、自分の収入が増える事が期待できるので、商品を売る事よりも勧誘する事を強要するグループもあります。
 自己啓発セミナーはマルチ商法の研修が基になっている為か、勧誘実習があります。「自分が体験した良いものを周りに広める」という建前上のコンセプトがマルチ商法と一致するため、その考えを植えつける為にマルチ商法のグループ内では、上位のディストリビュータが下位のディストリビュータを自己啓発セミナーに勧誘するという事が多くあります。

 この事故は自己啓発セミナーの直接的な危険性を知らしめるだけではなく、自己啓発セミナーとマルチ商法の関連性を明るみさせた事件だともいえると思います。

参考:
自己啓発セミナーで死亡 セミナー会社を提訴(やや日刊カルト新聞)
【速報】ワンダーランドのセミナーで死亡事故!遺族が提訴!(マルチ商法『ニューウエイズ』入門。)
自己啓発セミナーで死亡事故・賠償請求訴訟に(酔うぞの遠めがね)
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by seminar_blog | 2010-04-15 12:46 | Trouble
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